معرض SPIE Photonics West 2016 توموهيرو تيتسوموتو
الأبحاث
SPIE PHOTONICS WEST 2016参加報告
田邉研究室 博士1年 鐵本 智大
1.学会の概要
アメリカはサンフランシスコで開催されたSPIE Photonics West 2016に参加してきたので報告する (Fig.1 (a)(b)).SPIEはOSAと並ぶアメリカの光学会である.大会の規模は相当大きく,3つのカテゴリー(LASE,OPTO,BIOS)と3か所の会場が用意されていた.発表の質としてはピンキリであったが,ある先生がおっしゃったことにはCLEOは論文に載っているような研究ばかりだが,PWはたまに他の学会では弾かれてしまいそうな新規性が高い面白い研究が紛れているらしい.他に特筆すべき点としては企業の展示会の規模が大きいという点がある (Fig.1 (c)).昨年に参加したCLEO Europe程ではないにしても多くの企業が出展していた.それもあってか,僕が聴講したセッションには企業からの発表が多い印象だった(シリコンフォトニクスやMOEMS等のセッションを回っていたことにもよるが).
2.自身の発表に関して
今回は,ファイバ結合型フォトニック結晶共振器を用いた結合共振器形成に関して口頭発表を行った.直前までデータの改善や原稿の修正を行うなど,やや慌ただしかったが,発表は落ち着いて行うことが出来た.発表後の質問は,ファイバと共振器のクリティカルカップリングをどのようにして実現しているのかという内容と,今回の系でEITが実現できるのかという内容の2件があった.どちらの質問も意図は取れたが,返答にやや遅延が生じたのでスピーキングの反射神経を改善したい.また,ファイバを常に接触状態で実験しているという点が伝わりづらい印象を持ったので,次回以降の発表ではその点を意識的にフォローするようにしたい.
3.トピック紹介
[9759-7] Ultrafast third-harmonic spectroscopy of single nanoantennas fabricated using helium-ion beam lithography
FIBによる加工技術のセッションで聴講した内容.研究背景として超高速な光トランジスタを実現するために光モードを超微小体積に局在させる必要があるということを上げていたが,発表内容としてはbow-tieタイプのナノアンテナの作製とその性能について.今回の発表では,He+イオンによるFIBが紹介されていた.通常のFIBではGa+イオンを構造にぶつけることで加工を行うが,He+イオンを用いることで構造表面における破壊を最小限にとどめることが出来,発表ではGap長さ6 nmの驚異的なナノギャップのアンテナが紹介された(Fig. 2(a)).性能としてもHe+イオンで作製したものはGa+イオンで作製したアンテナ(gap = 20 nm)のものよりも高い非線形性(Fig. 2(b))と良好な偏波依存性を示した.Univ. Oldenburg,Seoul National Univ. ,Carl Zeiss Microscopy GmbH,Univ. Bielefeldによる複数の大学と企業のコラボレーション研究である点にも注目.開発された先進技術が大学の基礎研究に効果的に利用され,得られた知見が企業側にすぐにフィードバックされるという関係性は大学・企業双方に利点がある.
また,セッションを通じてFIBに関する大まかな得手不得手も分かった.FIBはリソグラフィをする必要がなく,直接パターンを作れる点で簡便な方法であり,精度の高い微細加工ができる.その一方で,大面積パターンを掘るのは苦手であり,パターン繋ぎ部におけるスティッチングがスムースでないという問題や描画時間が長いという問題がある.普段は完成された綺麗な構造を目にすることが多いが,ぶつけたイオンの散乱の影響の考慮や基板の帯電の影響を取り除くなどの工夫が必要らしい.総じて,やはりプラズモン研究などの微細パターンの金属加工に適しており,工業的というよりはまだまだ研究開発寄りな技術だという印象を受けた.
[9759-14] Packaging and micro-structuring for enabling multi-functional fiber-cladding photonics and lab-in-fiber
カナダはトロント大からの発表.フェムト秒レーザ描画により光ファイバ内に導波路や液体の流路,およびその他もろもろの光学素子を作製するという内容.フェムトレーザによるガラスの改質を利用した加工は見慣れた話題ではあるが,今回のように様々な素子を集積させたタイプのものの発表は初めて聞いた.発表ではファイバの形状センシング(Opt. Express, 21(20), 24076-24086 (2013).)といった見た目にも面白い応用が紹介されており,技術も極めれば色々できるのだという点に感心した.実際彼らは企業との共同研究を積極的に行っているようで,下記の記事にもOz Optics(VOAの会社)が連名著者に入っていたりする.
[9742-34] Integrated nanophotonic devices for optical interconnections
発表の内容としては光インターコネクトに向けた素子開発に関してで,いくつかの素子が紹介されていたが,その中の一つを取り上げたい.Fig. 4(a)に素子の構成を示す.導波路とサイドカップルしたリング共振器があり,その内部に同じ結合係数でサイドカップルした8本の導波路がある.8本の導波路の中心部に近い端にはグレーティングが作製されており,これらの導波路に入った光は最終的に空間系と結合する.ここで,リング共振器から8本の導波路に入った光はそれぞれの結合する位置が異なるから位相関係が異なるため,空間に放出される光はそれらのスーパーモードとなり角軌道運動量を持つ.角軌道運動量を持った光(optical orbital angular momentum :OAM)は無数の固有状態を持つため,これを用いることでデータ通信における情報容量を増大させることが出来る.発表ではリング共振器の各モードにおいて放出されるOMAビームの形状が異なることや(Fig. 4(b)),位相シフタを利用することで実験的にOAMビームの形状を制御した様子が示された(التقارير العلمية 5, 10958 (2015).).FabricationにIMEを利用しているとのこと(この素子に関しては論文にはIME利用のことは明記されていないようなので他のデバイスに関してかもしれない).
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