Journal Club

By fiscal year (April-December)

Fiscal Year 2024

Presentation Details:

 

ウィスパリングギャラリーモード(WGM)マイクロトロイド共振器は、現存する中で最も感度の高い生化学センサーの1つであり、単一分子を検出することができます。これらのデバイスを実験室から取り出す際の主な障壁は、光がテーパー状の光ファイバを介してこれらのデバイスにエバネッセント結合されることです。これは、テーパーが壊れやすく、機械的振動に悩まされ、正確な位置決めを必要とします。本研究では、自由空間結合を介してトロイドに光を入射し、散乱光を観測することで、光ファイバを不要にしています。デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)と組み合わせ、距離対物レンズを組み合わせることで、光の注入、散乱光の観測、およびイメージングに使用しました。このアプローチにより、自由空間での間接結合で電磁誘起透過性(EIT)およびファノ共鳴を観測することが出来ました。これにより、センシング感度の向上が可能となります。また大きな有効結合面積(開口数=0.14で直径~10μm)により、正確な位置決めが不要です。本システムとFLOWER(Frequency Locked Whispering Evanescent Resonator)方式を組み合わせ、温度センシング実験を行うことでセンシング性能を検証しました。入力電力を調整しながらFLOWERの共振を追跡することにより、熱非線形光学効果を調べました。この研究は、WGMマイクロトロイド共振器の実装を実世界のアプリケーションに拡大するための基盤になると考えています。

Presentation Details:

この研究ではボソンピークを考慮に入れてシリカ微小光共振器における散逸性カーソリトンのラマン誘起自己周波数シフトを理論的に研究した.その結果,ボソンピークはソリトンの自己周波数シフトを大幅に増加させ,特定のパルス持続時間においてはローレンツ応答によるシフトよりも大きな寄与をすることが分かった.またこれにより再構成されたラマンショック時間は比較的長いパルスでもパルス幅に関連していることを示した.さらに,ソリトンに干渉する背景の連続波がソリトンの自己周波数シフトを減少させることも示した.この理論的およびシミュレーションによる結果は,シリカベースのカーソリトンマイクロコムにおけるこれまでの実験値と非常に一致していることを示している.

Presentation Details:

この論文は、自己注入ロック(SIL)型マイクロコームの実現に向けた研
究を扱っています。シリコン窒化物フォトニッククリスタルリング共振器(PhCR)を
使用し、合成反射を利用して安定した単一ソリトン状態を生成する方法を示していま
す。従来のランダムなレイリー散乱に依存せず、ナノパターンを導入することで前進
波と後退波を制御し、安定な戻り光を生成します。これにより、信頼性の高いSILと
ソリトン生成が可能となり、持ち運び可能なセンサーやデータ処理への応用が期待さ
れます。実験結果は、合成反射がDKS(ディスパース・コム・ソリトン)の安定性と
効率を向上させることを示しています。

Presentation Details:

本論文では、Yb3+/Er3+共添加シリカ微小球を増幅自然放(ASE)光源で励起・チューニングさせたレーザーの研究を行った。ASE光を用いることで、広帯域のチューニングの過程における微小共振器のカプッリング条件の同期調整を回避し、微小共振器を用いたチューナブルレーザーの実際の応用が容易になった。Yb3+/Er3+共添加シリカ微小球では、中心波長m(at sentence-end, falling tone) indicates a confident conclusionASE光源が偏光に対して鈍感であるため、約1595nm(at sentence-end, falling tone) indicates a confident conclusion安定したシングルモードレーザーが発生した。レーザーのモードの全光変調のために、マグネトロン・スパッタリングによって銅薄膜をコーティングした。微小球の加熱制御とレーザーモードの線形チューニングは、微小球のステムから入射する銅膜によるASE光の吸収によって実現した。チューニングの範囲は190GHzに達した。

Presentation Details:

スーパーコンティニューム(SC光源は広帯域かつコヒーレントな白色パルス光源であり,たった1つの光源で広い波長範囲をカバーし分光分析やOCTなどに利用することが可能である.これまでSC光源生成には一般に石英ファイバが用いられており,2400nmを超える波長をカバーできなかったが,近年になってナノ構造によりグレーデッドインデック(GRINファイバを実現する手法が提案され,非線形性が大きく透過帯域の広い材料でファイバを作成可能になった.本研究ではテルライトGRINマルチモードファイバを作成し790~2900nm(at sentence-end, falling tone) indicates a confident conclusionSCを発生させることに成功した.この結果はSC光源の低エネルギー化,赤外への波長延伸の道を開くものである.

Presentation Details:

 

ニオブ酸リチウム(LN)is the same asナノスケールの導波路へ強力にモードを閉じ込められ,同時に二次の非線形性が大きい,分散制御が容易,周期構造を利用した位相整合が可能であるなどの特徴を有した優れたプラットフォームであるが,一方でウォークオフの小さい状態での周波数コムの実証については未開拓である.本論文では,LN薄膜の分散制御を利用した広帯域な光周波数コムの発生を,中心波長1560nmand780nmにおいて実証する.この実証において,各波長帯でそれぞれ80nm,12nmの帯域幅が達成された.この結果は二次ソリトン発生への道を開くものである.

Presentation Details:

ランダムビット生成器は,情報セキュリティ,暗号化,確率モデル,シミュレーションにおいて重要である.現在のランダムビット生成には,速度と拡張性が課題となっている.本研究では,単一のマイクロリング共振器をもとに,100Tbit/s規模の超高速ランダムビット生成のための大規模並列スキームを提案する.マイクロリング共振器内の変調不安定性(MI)によるカオスコムを利用することで,バイアスのない数百の独立したランダムビットストリームを同時に生成することが可能である.概念実証実験では,僅か7本のコム線だけで2Tbit/sを超えるランダムビットストリームを生成できることを示した.このビットレートは,使用するコム線の本数を増やすことで容易に向上することができる.本研究のアプローチは,安全な通信や高性能計算に向けた,非常に優れた速度と拡張性を有するチップスケールでのランダムビット生成を実現した.

Presentation Details:

自己ロックされたラマン単一ソリトンを生成し,OPOと誘導ラマン散乱の間の相対的な閾値パワーを調整することにより、周波数コムの異なるスペクトルダイナミクスを特徴づけた.ラマン散乱光子を介して広いRF線幅(320kHz)を持つsech2包絡ラマンコムを生成することが可能であり、特定の条件下では,同時に自発的かつ決定論的なラマン単一ソリトンの生成が達成された.この自己ロックされた単一ソリトンは、外部ロック機構なしで生成され,2時間以上にわたって維持された.また、マイクロキャビティ内でSBS生成に適したFSRを必要とするブリルアンソリトンとは対照的に,ラマンソリトンにはそのような制約がなく,さまざまな繰り返し率のソリトンを生成する可能性がある.この研究は,自己ロックされたラマン単一ソリトンを生成した最初の実験である...

Presentation Details:

集積チップスケールのOFD(光周波数の分周)を実証し,非常に低ノイズな
ミリ波発生を実現した.大きなモード体積を持つ平面導波路ベースのコイル共振器を
用いることで位相安定性を確保し,導波路結合マイクロ共振器で発生するソリトンマ
イクロコムを用いて光からミリ波周波数まで分周を行った.生成された100GHz信号の
位相雑音として,従来報告されているSiNベースのマイクロ波と比較して2桁以上低
い,オフセット周波数10kHzで-114dBc/Hzの雑音レベルを達成した.
ミリ波発生の集積化は通信,レーダー,センシングシステムのブレイクスルーになり
得る技術であり,今回のデバイスは将来的に半導体レーザー,増幅器,フォトディテ
クタと異種集積することが可能であり広い応用が期待できる.

Presentation Details:

シリコンナイトライド(SiN)によるKerrソリトン発生と,シリコン(Si)による変調器,分散補償器,受信器を集積し,シングルモードファイバー上でWDM通信を実証した.長さ20 kmのSMF上で1.68Tbit/sの通信速度を達成したほか,40 kmのSMFでの分散補償を市販トランシーバの1/6にまで低減することに成功した.将来的に10Tbit/sを超えるデータレートを達成する可能性を秘めており,データセンタ等での相互接続を高効率化できると期待される.

Presentation Details:

ウィスパリングギャラリーモードマイクロキャビティレーザーは、高いQ値やコンパクトな形状などの顕著な特性を備えており、マイクロレーザーの進化において不可欠な要素となっています。 しかし、固体ウィスパリングギャラリーモードレーザーは、これまで出力が低く、光変換効率が限られているため、その応用が妨げられてきました。 ここでは、固体ウィスパーリングギャラリーモードレーザーから波長1.06 μmでミリワットのレーザー放射を達成したことを紹介します。 これを達成するために、Nd: YAG 結晶の炭素注入強化エッチングによって得られた結晶性Nd: YAG 薄膜を使用して、ウィスパリング ギャラリー モードのマイクロキャビティ (直径 30 μm) を作製します。 このマイクロキャビティレーザーは、最大出力1.12 mW、光変換効率12.4%を発揮します。 さらに、当社独自の偏心マイクロキャビティ設計により、自由空間ポンプ光の効率的な結合が可能となり、導波路との統合が容易になります。 この統合により、導波路からの単一波長レーザーの発光が可能となり、出力0.5 mW、光変換効率6.18%を達成しました。 この研究は、固体ウィスパリングギャラリーモードレーザーの進歩に新たな可能性をもたらし、コンパクトな光源の選択肢を提供します。