Journal Club
2024年度
- 7月9日 (火) 12:20 ~ 12:55
- Online
- 元谷 祐太
- Light: Light Sci Appl 13, 75 (2024)
- Sartanee Suebka, Euan McLeod & Judith Su
発表内容:
ウィスパリングギャラリーモード(WGM)マイクロトロイド共振器は、現存する中で最も感度の高い生化学センサーの1つであり、 単一分子を検出することができます。 これらのデバイスを実験室から取り出す際の主な障壁は、 光がテーパー状の光ファイバを介してこれらのデバイスにエバネッ セント結合されることです。これは、テーパーが壊れやすく、 機械的振動に悩まされ、正確な位置決めを必要とします。 本研究では、自由空間結合を介してトロイドに光を入射し、 散乱光を観測することで、光ファイバを不要にしています。 デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)と組み合わせ、 距離対物レンズを組み合わせることで、光の注入、散乱光の観測、 およびイメージングに使用しました。このアプローチにより、 自由空間での間接結合で電磁誘起透過性(EIT)およびファノ共 鳴を観測することが出来ました。これにより、 センシング感度の向上が可能となります。また大きな有効結合面積 (開口数=0.14で直径~10μm)により、 正確な位置決めが不要です。本システムとFLOWER( Frequency Locked Whispering Evanescent Resonator)方式を組み合わせ、 温度センシング実験を行うことでセンシング性能を検証しました。 入力電力を調整しながらFLOWERの共振を追跡することにより 、熱非線形光学効果を調べました。この研究は、WGMマイクロト ロイド共振器の実装を実世界のアプリケーションに拡大するための 基盤になると考えています。
- 7月8日 (月) 12:20 ~ 12:55
- Online
- 大竹 遼
-
Light: optics express, 32, 3,(2024)
- Malong Hu, Shuyi Xu, Shulin Ding, Bing He, Min Xiao, and Xiaoshun Jiang
発表内容:
この研究ではボソンピークを考慮に入れてシリカ微小光共振器にお ける散逸性カーソリトンのラマン誘起自己周波数シフトを理論的に 研究した.その結果, ボソンピークはソリトンの自己周波数シフトを大幅に増加させ, 特定のパルス持続時間においてはローレンツ応答によるシフトより も大きな寄与をすることが分かった. またこれにより再構成されたラマンショック時間は比較的長いパル スでもパルス幅に関連していることを示した.さらに, ソリトンに干渉する背景の連続波がソリトンの自己周波数シフトを 減少させることも示した. この理論的およびシミュレーションによる結果は, シリカベースのカーソリトンマイクロコムにおけるこれまでの実験 値と非常に一致していることを示している.
- 5月27日 (月) 11:45 ~ 12:20
- Online
- 山口 佳威
- Light: Nature Photonics volume 18, pages294-299 (2024)
- Alexander E. Ulanov, Thibault Wildi, Nikolay G. Pavlov, John D. Jost, Maxim Karpov& Tobias Herr
発表内容:
この論文は、自己注入ロック(SIL)型マイクロコームの実現に
究を扱っています。シリコン窒化物フォトニッククリスタルリング
使用し、合成反射を利用して安定した単一ソリトン状態を生成する
す。従来のランダムなレイリー散乱に依存せず、ナノパターンを導
波と後退波を制御し、安定な戻り光を生成します。これにより、信
ソリトン生成が可能となり、持ち運び可能なセンサーやデータ処理
れます。実験結果は、合成反射がDKS(ディスパース・コム・ソ
効率を向上させることを示しています。
- 6月17日 (月) 12:20 ~ 12:55
- Online
- 松山 隼
- Light: Optics Letters Vol. 49, Issue 11, pp. 2865-2868 (2024)
- Yantang Huang , Songsong Liao, Bifeng Tu, Qiling Xu, Zhiping Zeng, Canhua Xu
発表内容:
本論文では、Yb3+/Er3+共添加シリカ微小球を増幅自然放
- 6月10日 (月) 12:20 ~ 12:55
- Online
- 丹藤優聖
- Light: Optics Letters Vol. 49, Issue 11, pp. 2865-2868 (2024)
- Ekaterina Krutova, Lauri Salmela, Zahra Eslami, Tanvi Karpate, Mariusz Klimczak, Ryszard Buczynski, and Goëry Genty
発表内容:
スーパーコンティニューム(SC)光源は広帯域かつコヒーレントな白色パルス光源であり, たった1つの光源で広い波長範囲をカバーし分光分析やOCTなど に利用することが可能である.これまでSC光源生成には一般に石 英ファイバが用いられており,2400nmを超える波長をカバー できなかったが, 近年になってナノ構造によりグレーデッドインデック(GRIN) ファイバを実現する手法が提案され, 非線形性が大きく透過帯域の広い材料でファイバを作成可能になっ た.本研究ではテルライトGRINマルチモードファイバを作成し ,790~2900nmのSCを発生させることに成功した. この結果はSC光源の低エネルギー化, 赤外への波長延伸の道を開くものである.
- 6月3日 (月) 12:20 ~ 12:55
- Online
- 高林 諒明
- Light: Optics Letters 49,2449–2452 (2024)
- Chao Tang, Mingming Nie, Jia-yang Chen, Zhaohui Ma, Zhan Li, Yijun Xie, Yong Meng Sua, Shu-Wei Huang, and Yu-Ping Huang
発表内容:
ニオブ酸リチウム(LN)は,ナノスケールの導波路へ強力にモードを閉じ込められ, 同時に二次の非線形性が大きい,分散制御が容易, 周期構造を利用した位相整合が可能であるなどの特徴を有した優れ たプラットフォームであるが, 一方でウォークオフの小さい状態での周波数コムの実証については 未開拓である.本論文では,LN薄膜の分散制御を利用した広帯域 な光周波数コムの発生を,中心波長1560nmおよび780nm において実証する.この実証において,各波長帯でそれぞれ80n m,12nmの帯域幅が達成された. この結果は二次ソリトン発生への道を開くものである.
- 5月21日 (火) 12:20 ~ 12:55
- Online
- 今村 万太郎
- Light: Light Sci. Appl. 13, 66 (2024)
- Pu Li, Qizhi Li, Wenye Tang, Weiqiang Wang, Wenfu Zhang, Brent E. Little, Sai Tek Chu, K. Alan Shore, Yuwen Qin, and Yuncai Wang
発表内容:
ランダムビット生成器は,情報セキュリティ,暗号化,
- 5月16日 (木) 12:20 ~ 12:55
- Online
- 大竹遼
- Light: Optics express 31, 18-28 (2023)
- IN HWAN DO, DAEWON SUK, DONGIN JEONG, SEOKJOO GO, KIYOUNG KO, HYUN-GUE HONG, DAI-HYUK YU, JAE HOON LEE, AND HANSUEK LEE
発表内容:
自己ロックされたラマン単一ソリトンを生成し,
- 5月15日 (水) 12:20 ~ 12:55
- Online
- 四方田彩花
- Light: Nature 627, 540-545 (2024).
- Shuman Sun, Beichen Wang, Kaikai Liu, Mark W. Harrington, Fatemehsadat Tabatabaei, Ruxuan Liu, Jiawei Wang, Samin Hanifi, Jesse S. Morgan, Mandana Jahanbozorgi, Zijiao Yang, Steven M. Bowers, Paul A. Morton, Karl D. Nelson, Andreas Beling, Daniel J. Blumenthal & Xu Yi
発表内容:
集積チップスケールのOFD(光周波数の分周)を実証し,非常に
ミリ波発生を実現した.大きなモード体積を持つ平面導波路ベース
用いることで位相安定性を確保し,導波路結合マイクロ共振器で発
イクロコムを用いて光からミリ波周波数まで分周を行った.生成さ
位相雑音として,従来報告されているSiNベースのマイクロ波と
い,オフセット周波数10kHzで-114dBc/Hzの雑音レ
ミリ波発生の集積化は通信,レーダー,センシングシステムのブレ
得る技術であり,今回のデバイスは将来的に半導体レーザー,増幅
クタと異種集積することが可能であり広い応用が期待できる.
- 5月1日 (水) 12:20 ~ 12:55
- Online
- 國分 淳之介
- Light: Nat. Commun. 15, 3645(2024).
- Yuanbin Liu, Hongyi Zhang, Jiacheng Liu, Liangjun Lu, Jiangbing Du, Yu Li, Zuyuan He, Jianping Chen, Linjie Zhou & Andrew W. Poon
発表内容:
シリコンナイトライド(SiN)によるKerrソリトン発生と,
- 4月25日 (木) 12:20 ~ 12:55
- Online
- 山川 智也
- Light: Science & Applications 12 223 (2023)
- Huiqi Li, Zhaocong Wang, Lei Wang, Yang Tan and Feng Chen
発表内容:
ウィスパリングギャラリーモードマイクロキャビティレーザーは、高いQ値やコンパクトな形状などの顕著な特性を備えており、マイクロレーザーの進化において不可欠な要素となっています。 しかし、固体ウィスパリングギャラリーモードレーザーは、これまで出力が低く、光変換効率が限られているため、その応用が妨げられてきました。 ここでは、固体ウィスパーリングギャラリーモードレーザーから波長1.06 μmでミリワットのレーザー放射を達成したことを紹介します。 これを達成するために、Nd: YAG 結晶の炭素注入強化エッチングによって得られた結晶性Nd: YAG 薄膜を使用して、ウィスパリング ギャラリー モードのマイクロキャビティ (直径 30 μm) を作製します。 このマイクロキャビティレーザーは、最大出力1.12 mW、光変換効率12.4%を発揮します。 さらに、当社独自の偏心マイクロキャビティ設計により、自由空間ポンプ光の効率的な結合が可能となり、導波路との統合が容易になります。 この統合により、導波路からの単一波長レーザーの発光が可能となり、出力0.5 mW、光変換効率6.18%を達成しました。 この研究は、固体ウィスパリングギャラリーモードレーザーの進歩に新たな可能性をもたらし、コンパクトな光源の選択肢を提供します。