『新しいビジョンを創造するスキルを学ぶ』

田邉教授からメッセージ

皆さんが活躍するこれからの10~20年間は,今まで予想もできなかったような大きな変化が起きる時代になるでしょう.それは皆さんにとっては,逆に多くのチャンスにも恵まれることを意味します.変化を恐れず,自分自身の可能性を開拓できる,新しい時代のリーダーを育成するために以下の3つに力を入れます.

技術・産業・政治等においては,様々なことが複雑化してきており,断片的な情報から秩序を見出して,新たな枠組みを構築し,進むべき方向性を示せる人物が求められています.これは,ビジネスの世界でも,研究の世界でも同じです.

研究の世界では,個々の物理現象が全く関係なさそうに見えることがあります.しかしそこには全体的な秩序が隠されているのです.研究とは,本質を発見して真の価値へとつなげていく作業に他なりません.さらに,基礎研究では実用化までが長いので,長期的なビジョンを構築するスキルが養成されます.

基礎研究を通じて混沌から秩序を発見し・価値を創造し・長期的ビジョンを構築することは,「新しい枠組みを構築する」スキルの養成につながります.これは今後ますます多くの分野で必要となります.

研究とは専門的な領域を深く掘り下げる活動です.しかし,そのためにはとても多様なスキルが必要とされます.

当研究室は,設計・作製・評価の全てに取り組んでいます.設計ではプログラミングやCADのスキル,作製ではナノ加工プロセスや化学プロセスのスキル,評価ではフォトニクス技術やデータ処理のスキルが身に付きます.さらに研究の企画立案やプレゼンテーションのスキルが養成されます.

基礎研究では用いるツールが桁違いに多いので,バランスの良い総合的なスキルを身に着けられます.流行りのAIも我々の研究室ではもはやツールとしてデータ処理に用いています.普段ではオペレーションできないレーザ機器やナノ加工装置も操ります.さらに量子コンピュータは光回路の知識として身に付きます.こうした具体的かつ多角的なスキルの習得を通じて,ビジョンを人に示す力を養ってもらいます.

当研究室の研究は国際的に高く注目されています.皆さんの研究成果は国際会議で発表し,海外研究者と競争したり協力したりする機会に恵まれることでしょう.

日本は少子高齢化などの問題を抱えていますが,世界経済の中心はアジアへとシフトしてきているので,今後近隣諸国との協力と競争はさらに増えるでしょう.欧米やアジアの多様な文化を学び,ネットワークを構築する重要性が高まっています.研究が国際的に認められているからこそ海外の一流研究者と交流ができ,刺激を受けて学ぶことができます.

田邉研究室では修士を修了した18.5%の学生が博士課程に進学しています(2019/4現在).そして,博士課程に進学した学生は100%海外の研究機関への研究留学の経験があります.このように真に海外とのネットワークを構築できる環境になる研究室です.

「さん」付けのこだわり

2024年度配属生向けの研究室説明会を実施しています.オープンラボは自由に研究室に出入りしてください.また,いつでも個別説明会を受け付けます.

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