CLEO-Europe2013 吉岐 航
Research
CLEO/EUROPE2013@MUNICH, GERMANY 学会参加報告
田邉研究室 修士2年 吉岐 航
11-15 May 2020, Online
5月12日から16日にかけてドイツ・ミュンヘンにて開催されたCLEO/EUROPE2013 (Conference on Lasers and Electro-Optics Europe 2013)においてポスター発表を行いました.ドイツを訪れたのは今回が初めてでした.約一週間という短い滞在期間ではありましたが,治安の良さや人々の陽気で親切な人柄,そしてビールなど,ドイツのことを好きになりました.日本との類似点が多いとは聞いていましたが,それも頷ける話でした.将来留学する機会があるなら,ドイツを選択したいと思いました.
CLEO/EUROPE (Conference on Lasers and Electro-Optics Europe)は毎年アメリカで行われるCLEOの姉妹学会であり,今回は1300を超える数の口頭発表が行われました.学会にて中心的に議論されていたのは量子光学や非線形光学現象,レーザといった基礎的な研究分野で,シリコンフォトニクス等の応用よりの発表は低調であるという印象を受けました.また,フォトニック結晶を始めとした微小光共振器関係の発表件数も非常に少なかったので微小光共振器を専門とする私には非常に残念でしたが,普段あまり触れることない専門外の研究発表を聞けたのは有意義であったように思います.
CLEO/EUROPEを語る上で欠かすことができないのは学会に併設されて行われる展示会「Laser World of Photonics」です.この展示会は非常に大規模で,会場である4つの大ホール内は多数の企業のブースで埋め尽くされていました.「学会が展示会に併設されている」と言っても過言ではないほどです.実験用の光学機器メーカ以外にもレーザによる金属加工機等産業向けの製品を扱う企業も出展しており,展示会が学術界だけでなく産業界もターゲットとしていることが伺い知れました.また,中国企業が「Made with China」という表題を掲げて企業がグループとなって出展していたことも大変興味深く,中国企業の戦略的な海外進出の様子を垣間見ることができました.
ポスターの内容は,シリカトロイド微小光共振器にレーザリフローを追加的に施すことによる波長制御のデモンストレーションした,というものです.結果はまだ粗削りで制御性も高いとは言い難かったのですが,シリカトロイド微小光共振器の共振波長を永続的に変化させるような研究手法は今まで提案されて来なかったので,その点に興味を持ってもらえることを期待して発表を行いました.聞きに訪れてくれた人のほとんどはシリカトロイド微小光共振器に関する予備知識がほとんどなかったので,したがってシリカトロイド作製や波長チューニングの基本的な原理と結果等の基礎的な説明をする他なく,深い議論を行うことは出来ませんでした.しかしながら,彼らはポスター発表を未知の研究分野について新たに学ぶ場だと捉えているようだったので,その姿勢には見習うべきものがありました.
最後に,昨年のCLEOでは自分の英語力に自信がなくポスターセッションに参加することを恐れていましたが,今年は多少コミュニケーションに難はあったものの,自分や他人のポスターについてよくディスカッションすることができたという実感がありました.ポスターセッションは世界の研究者と対等に気軽にディスカッションできる良い機会なので,今後も引き続き英語のコミュニケーション能力の向上に努め,ポスターセッションをより活用していきたいと感じました.
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