CLEO-Pacific Rim 2017 鐵本 智大

Research

CLEO-PR 2017 Participation Report

博士3年 鐵本智大

1.概要

7月31日から8月4日にシンガポールで開催されたCLEO-PRに参加した.CLEO-PRはCLEO Pacific Rimの略称であり,環太平洋地域の国々で隔年の日程で開催される会議である.これまではCLEO EUと同じ奇数年での開催であったが,来年の香港大会から偶数年に移行するとのこと.同じ時間帯に16個のセッションが行われるなど公演数に対して会議の進行が詰め込まれている印象があり,同時間帯の講演でどちらに行くべきか迷うことが何度かあった.一方で,各セッションの聴講者の数は一部の人気セッションを除いて多くはなくCLEOのぎゅうぎゅう詰めの会場に比べてくつろいだ状態での聴講が出来た(後述のように,その状態が自身の発表の際は寂しく感じたが).その他に関しては,Marina Bay Sandsの会議場を利用する,コーヒーブレイクでの軽食やランチビュッフェが毎日提供される,近隣の水族館を貸し切ってレセプションを行う(自身は欠席したが評判は良かった)などレセプション面は充実していた.

2. 自身の発表に関して

トロイド共振器とフォトニック結晶導波路の結合に関して発表を行った.発表はFrequenecy comb and waveguide devicesというセッションに組み込まれていたのだが,周波数コム関連の話はinvitedでKerr combの話をしたXioxioさんだけで他は光信号処理,光通信,我々の発表などかなり広い分野から人が集まっていた.早朝の発表ということも相まってかセッションを通じて人がまばらで僕の発表の際は15人強だっただろうか.発表自体は特に戸惑うことなく行うことが出来た.ただ,質問がchairからの集積予定に関してのものだけで終わってしまったのでやや寂しく感じた(全体的にも質疑は少なかった).セッションには他分野の人が多くいることは予想できたので,もう少し丁寧に導入の話をして興味を持ってもらえる工夫をするべきだったかもしれないと少し反省した.

3. トピック紹介

3-2J-1: Optoelectronic Devices Based On Cavityintegrated 2D materials, Changhua Liu, Arka Majumdar

ワシントン大学のGaPフォトニック結晶共振器と2D材料の集積を行っているグループからの発表で,招待講演だったこともありこれまでに行ってきた研究をレビュー的に紹介していた.フォトニック結晶共振器のパーセル効果によるWSe2の発光増強が基本的な内容であるが,共振器とその他の領域の発光の違い,偏波依存性,Graphen-hBN-WSe2-hBN-Graphenの集積ヘテロ構造を利用した電圧印加によるバンド構造の制御等,大まかな発光特性評価は網羅された印象がある.また,WSe2からの二次高調波発生に関しては,これまでのシリコンのフォトニック結晶共振器ベースのプラットフォームから短波長での透過性が高いシリコンナイトライドのフォトニック結晶共振器の移行を進めているとのこと.興味は持っている分野なので継続的に動向をチェックしたい.