CLEO 2014 伏見 亮大

Research

CLEO : 2014 参加報告

田邉研究室 修士2年  伏見 亮大

CLEO : 2014 (San Jose, CA, USA 6/8 ~ 6/13)の参加の報告は下に記す.

自身は全光論理ゲートに関する発表(“Robustness of scalable all-optical logic gates”)と,フォトニック結晶共振器のシミュレーションによるQ値算出に関する発表(“Fast and accurate calculation of Q factor of 2D photonic crystal cavity”)の2件のポスター発表を行った.論理ゲートの発表においてはスイッチングシステムに対する質問が多かった.自身が知る限り,同じスイッチング方式を用いている研究は無いので,興味を持っていただいたと感じている.Q値算出に関しては,フォトニック結晶を専門にしている人には特に興味を持ってもらうことができた.

ここからは聴講した発表の中でも興味を持った内容や自身の研究室に近いフィールドの研究者らの発表内容を紹介していく。

1.JTu4A.92, M.minkov and V. savona, “Design-specific global optimization of a variety of photonic crystal cavities”.
SM4M.2, Y.lai, et al., “L3 Photonic Crystal Nanocavities with Measured Q-factor Exceeding One Million”.
自身の行っているQ値算出のアルゴリズムの目的が同じであり,手法は難解であるものの,時間は圧倒的に削減できており,さらには最適化や作成・測定までも行っている.
1つ目の発表はQ値高速取得法を用いてL3共振器などの構造の最適化を行い,理論Q値の最高値をただき出したという発表であった.2006年には元となるアルゴリズムが開発されていたものの,難解なためか普及せず,今回の発表でその実力が明らかになった.2つ目の発表は他グループとの共同研究で,最適化を行った構造を実際に作成したところ,実験Q値においても最高値を得たというものである.これらの成果はすでにNature系のScientific reportsに掲載されている.今後は研究の速度を上げて,成果をだしていきたい.

1.JTu4A.79, S. M. Lo, et al., “Photonic Crystal Microring Resonator based Sensors”.
マイクロリングにフォトニック結晶のような空孔を周期的にあけることで,フォトニックバンドギャップを発現させ,センサ応用でよく問題になる,モードが多く立っていてシフトが追いにくいというものを,モードを限定させることで解決させた.さらに,空孔を開けているため表面積が大幅に増えており,より高感度のセンシングが可能となっている.

1.SM3G.1, J. K. Poon, et al., “Breaking the Conventional Limitations of Microrings”.
自身の論理ゲートの研究においてファブリケーションエラーによって生じる共振波長のずれやカップリング強度の変化はシステムに致命的な影響を与えることを数値的に明らかにした.本発表はそのファブリケーションエラーを小さくするためのデザインを述べると同時に,共振器を用いた変調で常に問題となる帯域と変調速度のトレードオフの関係を破る変調方式を述べている.具体的には,リングと導波路とのカップリングは直線同時で行い,リングのカーブ時には導波路幅を大きくすることで,多少の幅のブレに対する内部のモードへの影響を小さくしている.変調方法は共振波長を変化させるのではなくカップリング強度を変調するとよい.
共振器の研究と産業応用とのかい離が認識されてきているなか,こうした研究がさらに増えていくことを期待したい.

1.FTh1K.5, H. Li and M. Li, “Torsional Cavity Optomechanical Nano-Seesaw System”.
ナノビーム共振器が二つあり,それらを一点のみによって支えているというシーソーのような構造をしている.2つの共振器内のエネルギーが異なる場合,機械的変形がおきてビームが傾く.さらにビームが傾くと共振波長などが変化して共振器内の状態も変化する.すなわち光と機械の結合である(オプトメカニクス).構造も面白いが,本発表では光共振器と機械的共振器がどのように結合されているかの分類を行っており,本研究は独立した光共振器を機械的共振器でカップルするという分類がなされていた.今後の展開として,アレイ状に並べられた独立光共振器をノードのように機械的共振器が繋ぐような構造を目指していくという.

1.JTh5B.3, Y. Shen, et al., “Optical Broadband Angular Selectivity”.
波長選択性のものはステンドグラスをはじめ身の周りにあふれており,偏波依存性は液晶がある.しかし,入射角依存性のシートはいままで提案されてこなかった.本発表では,ブリュースター角という誰もが知っている現象を用いて実現させている.屈折率や厚さを設計することで,ある入射角の可視光域のみ透過可能というシートを作成した.理論は簡単ではあるが,だれも思いつかなった研究で,Science誌にも掲載された.面白い研究は教科書レベルにまだ残っているということを思い知らされた.