ICO-24 鐵本 智大

Research

ICO-24参加報告

博士3年 鐵本智大

1.概要

8月21日から8月25日に京王プラザホテルで開催されたICO-24に参加した.ICO-24はThe 24th Congress of the International Commission for Opticsの略である.国内の学会ということもあり日本の研究機関からの参加者が多い印象だった.開会式に天皇陛下のご臨席を賜ったため,多くの人々の印象に残る会議となったのではないだろうか.

2.自身の発表に関して

トロイド共振器とフォトニック結晶導波路の結合実験に関して発表した.直前にスライドの改良を多く行ったこともあり,やや詰まり気味となったが時間以内に無事に発表を終えることが出来た.質疑では,結合効率を得るために重要な要因や効率の理論限界に関しての質問を受けたが,しっかりとした裏付けの理論データがなかったため回答が抽象的になり,いまいち質問者を納得させることが出来なかった.計算のための方向性は見えてきているので次回発表までには理論的な裏付けを得たい.

3. トピック紹介

F1E-02:Topological Edge States by Resolving Weyl Points in Semiconductor Chiral Woodpile Photonic Crystals

東大・京都工芸繊維大学の高橋さんからの発表.3次元キラルフォトニック結晶構造におけるトポロジカルな性質を調査した内容.ライトライン下にトポロジカルエッジ状態(Weyl点)を保持することやその偏光状態を示した.ポイントとしては,これまでのWeyl点の実験的な観測はマイクロ波領域で大きな構造を用いたものに限られてきたのに対して,構造サイズをサブマイクロメートルの領域までに縮め,通信光帯での実験を行うことが出来るポテンシャルを有しているという点.同グループからは,同様のキラル構造を用いた量子ドットの円偏光励起による発光の偏光方向依存性の実験的検討の論文が既に出ているので(まだarXivのみ?),実験的な実証が現実味を帯びている.