FiO 2017 鐵本 智大
Research
OSA FRONTIERS IN OPTICS (FIO) 参加報告
博士3年 鐵本智大
1.概要
9 月 17 日から 21 日に米国ワシントンで開催された国際会議 Frontiers in Optics (FiO)に参加した.FiO は米国光学会が主催する学会で,毎年米国各地で開催される.今年は米国光学会の本拠地であるワシントンでの開催となっており,OSAの本拠地の建物を見ることが出来た.会議全体としては,今回はポスター発表に力を入れていたようで,数件の優秀なポスター投稿の事前紹介のための rapid fire oral presentationや電子ポスターなど斬新な試みが行われていた.
2.自身の発表に関して
今回はシリカナノビーム共振器の結合効率の最大化手法に関してポスター発表を行った.10 人程度の人に話をした.どちらかというと研究の基礎的な部分に関する質問が多く,ファイバ関連の研究が集まった場所で発表したこともあってか,dimpled ナノファイバの作製方法に関して何件か質問を受けた.そのうちの一人はdimpled ファイバの作製経験者で苦労話を共有できたが,最近は違う手法で作製に取り組んでいるとのことで Opticaに採択されたその作製手法に関する論文を教えてくれた.全体として特に受け答えに困ることは無かったが,ピンポイントな回答かというと微小な面があったことを自覚しているので,もう少し考えをまとめるための事前準備をした方が良いかもしれない.
3. トピック紹介
FM3A.1. Progress on Multilayer Silicon Nitride-on-Silicon Integrated Photonic Platforms Joyce K. Poon
トロント大学からの招待講演.博士学生が発表していた.内容は同グループが進めているシリコン基板上に作ったシリコンナイドプラットフォームにおけるグレーティングカップラ,モード変換器,変調器などの各光学素子の紹介.作製が難しい多層膜構造は A*STAR の協力の下,作製しているとのこと.U 型のキャリア分布を持つ変調器作製など実験的な多数のトライアルが必要そうな構造の作製なども行っていた.カーコム発生など先端研究においてシリコンナイドプラットフォームはよく用いられているが,他材料とのヤング率の違いから基板割れが起こるなどの問題あるという話をよく聞くため産業的な実装には色々と課題があるのではないかと考えていたが,今回の研究は完全にCMOS互換の設備とプロセスで作られたものであり(6 インチ,8 インチなど大きなウエハで作られたかは不明だが,懸念していた問題をクリア可能な技術は既にあるのだと考えを改めた.
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